ふたりの恰好がチグハグでも

彼はセミプロのミュージシャン。彼のライプのステージに欠かさず顔を出していたところを見初められて、付き合うようになりました。憧れの人の恋人になれて最高に幸せ、と言いたいところですが、実は大きな悩みがあります。彼と私のファッションがあまりにもチグハグで、ふたりでいると周囲の目が気になって仕方ありません。彼はギンギンのパンク、私はベーシックなファッションが好き。でも、この場合はやはりミュージシャンの彼女にふさわしい恰好をするべきなのでしょうか?

実は先日、ゴルフの練習場で、絵に描いたように釣り合いのとれたいでたちのカップルを見ました。男の方はパパスのロゴ入りトレーナーにマドラスチェックのパンツ、女性はマドモアゼル・ノンノンのトレーナーにこれまた同じマドラスチェックのスカート。ロゴマークや色合いは微妙に違うけれど、限りなくペアルックに近い装い。おまけに打席を順番待ちしている間、側にあったゴルフ雑誌のファッションページを仲むつまじく見ながら、レインウェアがどうだの、今度買うゴルフバッグはああだのと、ふたりのファッション計画を練っている始末。側にいる私の方が照れてしまったのでした。カップルの服装は均整がとれているのが一般的に理想とされているけれど、あんまり近しいのも、個としての自覚に欠けるオバカさんみたいで考えものだと思います。恋人であっても私は私、あなたはあなたという主義主張をどこかに持っていて、お互いを刺激しあう。そんな関係がベストじゃないかしら。何もかもふたりで一緒、なんて考え方をしてる恋人同士って、カップリングの崩壊が訪れた時、それはもうひとり立ちできない子ども同然、悲劇としかいいようがありません。
さて、話がずいぶん横道にそれましたが、ロックミュージシャンを彼に持つあなたの場合、ベーシックが好き!という一本の主義が通っていますね。自分流のスタイルをしっかり持っている人は誰が見ても魅力的です。想像するに、彼がファンの中からあなたを選んだのも、自分流のスタイルを持ったあなたがひときわ輝いて見えたからではないかしら。
ライブハウスに来る女の子って、私の知る限りでは古着趣味のオリーブ少女とでも形容したくなるような独特な着こなしをしていて、みんな没個性。もしも、あなたが無理にパンクに転向すれば、そんなミーハーの女の子となんら変わりがなくなってしまい、彼の方は”ブルータスお前もか”と落胆するかもしれない。ですから今のままでいいと思います。
ふたりの恰好がチグハグなために周囲の目が気になるようですが、バランスをとりすぎて笑いの目で見られる恋人たちもいるのだから、平気のヘーザでいられる強さを持つことです。ギンギンのロックミュージシャンが、平凡な女性と結婚したケースは実際少なくないのです。彼女たちを励みに他人の視線と闘ってください。

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